徳島神山温泉で開かれた池田先生の徳島部会合宿に参加してきました。
大江健三郎さんの故郷で深い森のイメージとして思っていた四国を今回初めて行くことになりました。
今年79歳になられる池田先生のお話と実技を二日間思う存分聞いて、見て、感じて、それらを心いっぱいに持って帰りました。
”鍼灸師は本を読むことです。鍼灸は感性の世界。それが100%発揮できるようにするには本を読むことです。古典を読むことです。勉強することです。古典はもちろんのこと、ほかにもいろいろな本を読むこと“
“患者さんの脈を診て、身体を診て、様子を見て、患者さんの生活習慣、性格、病の性質、今後の予後など色々な情報を得られるようにすること”
”意識の底辺には広大な無意識の世界がある。経絡というのは無意識の領域に存在する。鍼灸師は無意識の世界にある経絡を見つけ、意識のレベルまで引き上げて病を治すことである“
“鍼灸師は金もうけに走っちゃいかん!”
先生の言葉が心に響きます。
臨床歴56年。町の鍼灸師として愛され続けておられる池田先生。若いごろは小説家になりたかったと言っておられましたが、小説家が一つの世界を作りあげる人だとすると、池田先生はたくさんの患者さんが登場する一つの大きな世界を築いておられたのではないかと思いました。
その生き方に敬意を捧げるとともに先生が講演会の冒頭で話した「父老」という言葉を思い出します。名もない、利もない、徳はある。話をしているだけでさわやかな気持ちになる存在。
鍼灸師としてはもちろん、人間としてもまだまだ未熟な自分ですが、いつかは、名もなく、利もないけれども話をしているだけでさわやかな気持ちになる町のおばあちゃんになれることを描いてみたいと思いました。これからも淡々と精進する毎日を生きていこうと思います。
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