top of page

顔面神経麻痺と鍼灸治療

  • 執筆者の写真: 元英 白
    元英 白
  • 4月26日
  • 読了時間: 2分

先日東京で受けた顔面神経麻痺リハビリテーション技術講習会認定試験に合格しました。

鍼灸師として私は経絡治療という東洋医学に基づいた鍼灸治療をベースにしておりますが、日本顔面神経学会主催の今回の講習会を受けようと思ったのは、韓国にいる父親のことがきっかけでした。

鍼灸や漢方を信頼して定期的に鍼灸治療を受けている母親とは違って父親は、鍼は痛い!という印象が根強く、また科学的根拠が足りないのではという先入観も強いため、鍼灸治療を受けることはなかったです。父親は幼い時に韓医師だった祖父に鍼をしてもらったことがあり、それがものすごく痛かったとのことで、ほぼトラウマになっていました。今の日本の鍼は髪の毛くらいの太さで鍼管を使ったりしていかに痛くなく鍼をするかを考えて施術しているので、痛みを感じることは少ないのですが、昔の韓国の鍼はドラマホジュンでも見られますが、それなりに太い鍼たったはずです。

そんな父親は去年顔面神経麻痺になってしまいました。風が冷たい時期に野外で作業をしていたのがきっかけではないかということでしたが、そこまで症状が激しく出ていないこともあり、受診するまで数日間放置していたらしいです。顔面神経麻痺はなるべく早めに受診して標準薬物治療を受けることが大事になります。鍼灸治療はその後リハビリ治療の段階で有効な手段の一つとされています。父親に鍼灸治療も受けるようお話をしましたが、娘が鍼灸師にも関わらずあまり積極的ではなかったです。その時に日本顔面神経学会の治療ガイドラインに鍼灸治療も入っていると伝える事ができたら、西洋医学に信頼を置いている父親も少しは鍼灸治療について前向きになっていたかもしれません。

東洋医学と西洋医学はそれぞれの良さがあります。外科的手術や効果的な薬物治療が強い西洋医学。鍼灸治療で全身の流れをよくし、自己治癒力を高めながら自然な養生法を大事にする東洋医学の知恵は西洋医学では支えきれない大事な部分を担えると思います。そのためには東洋医学系と西洋医学系はお互いを理解し、連携をすることで、さらに社会に役立つ存在になれると思います。


Comments


bottom of page